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2020年6月16日火曜日

感染拡大から考える免疫の男女差。感染拡大から考える糖尿病による免疫低下

ネットワーカーのための免疫セミナー第11回

今回の内容は
感染拡大から考える免疫の男女差
感染拡大から考える糖尿病による免疫低下

ネットワークビジネス従事者の皆さん、ビジネスにお誘いする際には、正しい知識の基、正確に説明しましょう!

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感染拡大から考える免疫の男女差

男性と女性を比べると免疫は女性のほうが強い、ということは以前から言われてきました。それを裏付ける証拠の一つとして、がんの感染者数と死亡者数の比較がされています。感染者では男性は55%、女性は45%ほど多くなっていますが、死亡数では男性は58%、女性は42%と、やはり男性のほうが多くなっています。これに対して、新型コロナウイルスの男女差を見ると、その違いは極端で、男性は女性の3倍ほども感染率が高くなっています。感染した人の死亡の割合には大きな差はないので、そのまま計算すると男性は女性の3倍もの危険性があるということになります。

男性と女性で、何が違っているのかというと、がんの場合には免疫細胞のT細胞が直接的に攻撃をしますが、新型コロナウイルスの場合にはB細胞が作り出した抗体が攻撃をしています。この抗体を作り出す能力が男性と女性では違っています。男性ホルモンは抗体を作る能力を低下させるのに対して、女性ホルモンは抗体を作る能力を向上させます。

がんの場合には、若い人は進行が早いとされますが、それはがん細胞が成長ホルモンによって増殖が促進されるからです。それに対して新型コロナウイルスの場合には、成長ホルモンの影響を受けるわけではなくて、高齢者のほうが死亡率が高くなっています。

若い人は新型コロナウイルスに関してはリスクが低いと考えられてはいるものの、抗体を作り出す能力の男女差を見ると、男性は若いほど男性ホルモンの分泌が多いので、男性の場合には若いことがデメリットにもなります。それに対して女性は若いほど女性ホルモンの分泌が多くて、新型コロナウイルスには若いほどメリットがあることになります。

新型コロナウイルスの年齢と性別の感染率と死亡率のデータは、まだ明らかにはされていないものの、数が多くなるとデータが明確になってきます。できることなら、数が爆発的に多くなって明確になってほしくはないのですが、そのタイミングが迫ってきています。
感染拡大から考える糖尿病による免疫低下

新型コロナウイルスの感染拡大によって、感染しやすい人と重症化しやすい人が知られるようになってきました。初めのうちは海外と同様に高齢者の感染者が多かったことから、海外のデータで明らかになってきた喫煙者と糖尿病患者のリスクの高さが言われていました。今では年齢層に関係なく感染が拡大していることから、リスクの見直しがされていますが、それでも糖尿病患者のリスクは高いままです。

糖尿病患者は免疫が低いことについては以前から言われ続けてきていました。その理由の一つが免疫細胞の好中球の活動が低下することです。免疫細胞は外敵を攻撃する兵隊のようなもので、白血球とリンパ球があり、好中球は白血球の一つです。非常に数が多くて、物量作戦のように数で勝負する白血球です。免疫の第一防御ラインが好中球で、これで対応できないときには大きな白血球のマクロファージが登場して大量に取り込み、外敵を破壊していきます。

好中球の活動が低下することは第一防御ラインが破られることになるので、確かに免疫が低下して、ウイルスの活動が抑えきれないことなるものの、それに続く防御ラインが正常に働いていればウイルスは抑え込めるはずです。それができていないということは、好中球以外の免疫の低下があって、新型コロナウイルスが抑制できないことが考えられます。

マクロファージで対応できないときには、次にリンパ球が登場します。リンパ球には、抗体を作り出すB細胞と、直接攻撃するT細胞があります。抗体は銃弾のようなもので、T細胞はミサイルにたとえられます。免疫細胞は、どれも血液中を流れてパトロールしていて、異常があったところに素早く駆けつけることによって対応しています。それが遅れると免疫力も低下することになります。

糖尿病は血液中にブドウ糖が増えすぎて、そのブドウ糖が尿に混じって排出されるものと一般には認識されているようですが、それがブドウ糖の流れを見ているだけのことで、血液中のブドウ糖が多くなったときには血管の細胞にブドウ糖が取り込まれて糖アルコールに変化します。細胞は一定の水分量が保持されている状態で新陳代謝が行われますが、糖アルコールが触れると全体的に水分量が増えて、新陳代謝が低下します。そのために血管の細胞の再生が間に合わなくなって、徐々に血管が傷んでいきます。これが続くことによって血管が硬くなり、弾力性が低下して、血流が大きく低下するようになります。

こういった状態では血液中をパトロールしている免疫細胞の到着が遅れるようになります。これは動脈の場合で、毛細血管では細胞の老化よりも直接的な変化が起こっています。毛細血管が直径が8μmで、ここを通過する赤血球は10μmの大きさがあります。赤血球はつぶれるようにして1個ずつ通過していきます。ところが、血液中のブドウ糖が多くなりすぎると赤血球がくっついてしまい、通過できない赤血球も現れます。そのために毛細血管から先に酸素が運ばれなくなって、全身の細胞に影響が出ると同時に、免疫細胞も毛細血管を通過するのに時間がかかるようになって、免疫が低下することになるのです。

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